APDA エジプトでTICAD9フォローアップ議員会議を開催
2026.4.28-29 エジプト・カイロ
4月28~29日、エジプト・カイロにおいて、アジア人口・開発協会(APDA)並びに人口と開発に関するアラブ議員フォーラム(FAPPD)は、「TICAD9フォローアップ議員会議:人口と開発に向けた政策・資金動員・立法の強化」を開催しました。本会議は、2025年8月に横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)にあわせてAPDAとFAPPDが実施した政策対話・TICAD9テーマ別イベントで共有された課題や提言を踏まえ、その後の具体的な取り組みや進捗を確認し、今後の行動につなげることを目的として開催されました。国連人口基金(UNFPA)、日本信託基金(JTF)、国際家族計画連盟(IPPF)の支援の下、北アフリカ及びサハラ以南アフリカ諸国、日本から、国会議員、政府関係者、国際機関、市民社会代表、専門家など80名以上が参加し、人口と開発に関する課題への対応と議会の役割について議論を行いました。
開会式では、牧島かれん 国際人口問題議員懇談会(JPFP)副会長・APDA理事が主催者挨拶を行い、全ての人が健康に暮らす権利を享受できる社会の実現に向け、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進や女性・若者への投資の必要性を訴えるとともに、AIやデジタル技術の活用が持続可能な開発を支える重要な要素であると指摘しました。さらに、日本とアフリカ諸国とのパートナーシップを一層強化し、継続的な対話と相互学習を通じて共通課題の解決に取り組む重要性を呼びかけました。各セッションでは、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)、高齢化、若者のエンパワーメント、ジェンダー平等、食料安全保障、人道危機、気候変動など、多様化・複雑化する人口課題への対応について議論が行われました。モロッコの国会議員からは、ジェンダーに基づく暴力(GBV)の根絶や女性のエンパワーメントに向けた法整備が進む一方で、今後は法律を実効的に運用し、現場で確実に機能させることが重要な課題であるとの指摘がありました。また、チュニジアからは急速な高齢化への対応、アルジェリアからは気候変動や人口移動を含む大陸規模の人口課題への地域協力の必要性が提起されました。
保健分野では、国際協力機構(JICA)がエジプトにおけるUHC推進への支援について紹介しました。エジプトは2017年時点で、家計支出に占める自己負担医療費の割合が世界で3番目に高い国でした。その後、ユニバーサル・ヘルス・インシュランス法(Universal Health Insurance Law)が制定され、2030年までに全国27県での制度導入を目指して段階的に展開を進めています。これまでに6県で約600万人が同制度に加入しており、ポートサイド県では過大な医療費負担に直面する世帯の割合が40%減少したことが報告されました。日本はUHC制度導入に加え、エジプトに対して医療機材の供与や人材育成を実施するとともに、スーダン難民やガザからの医療搬送者を受け入れる医療施設への支援も行っているとの説明がありました。また、エジプト日本科学技術大学(E-JUST)からは、高等教育や若者への投資を通じて、保健医療、エネルギー、水資源、デジタル技術分野における人材育成と研究開発を進める取り組みが紹介されました。本会議は、人口と開発に関する課題の解決に向けた国会議員の役割を改めて確認するとともに、TICAD9を契機とした日本とアフリカ諸国の議員連携を一層強化する機会となりました。

