APDA/JPFP JPFP「生命の安全教育」PT会合開催
2026.4.14 日本・東京
4月14日、国際人口問題議員懇談会(JPFP)は「生命(いのち)の安全教育プロジェクトチーム(PT)」会合を開催しました。進行は、尾辻朋実JPFP生命の安全教育PT事務局次長が務めました。まず最初に上川陽子JPFP会長が挨拶を行い、生命の安全教育については地域や学校ごとに実施状況のばらつきがあることを課題として指摘するとともに、現場の優良事例から学び、その横展開を図ることの重要性を強調しました。続いて、阿部俊子JPFP生命の安全教育PT座長より「生命の安全教育デジタル教材アイデアコンテスト」について説明が行われました。同コンテストは、若者の視点から「生命の安全教育」に関する公的教材に自らアクセスしたくなる仕組みや導線を設計することを目的としており、学習体験の入口づくりを再構築する新たな試みとして位置付けられています。
講師の辻由起子氏(こども家庭庁参与)は、自らの経験および社会福祉士としての視点から講演を行い、その中で、大阪市立田島南小中一貫校における「生きる」教育の実践を紹介しました。同校の取り組みは子どもの貧困対策を背景に、正しい知識と対話を通じた自己肯定感の向上と、子どもが自らを守り主体的に生きる力を育むことを目的として行われている教育プログラムです。低学年では「プライベートゾーン」や「子どもの権利」、中学年では「相談する力」や「心の傷との向き合い方」、中学生では「デートDV」や「児童虐待」などを扱い、発達段階に応じて現実の課題を多面的に学ぶ構成となっています。対人関係における暴力による要医療件数が6年間でゼロとなったほか、学力面においても向上が見られるなどの成果が報告されています。辻氏は、こうした実践を踏まえ、子どもが直面する課題は個人の問題ではなく、知識や支援の不足、制度の分断といった構造的要因に起因する社会の問題であると指摘し、問題の未然防止に向けては、早期からの体系的な教育が重要であることを強調しました。
プラン・インターナショナル・ジャパンの長島美紀氏からは、NGOからの提言案が共有されました。生命の安全教育が全ての子どもに十分に届いていない現状を踏まえ、①全ての学校における確実な実施、②既存の教育課程の中で実施可能な設計、③外部専門家の活用等による実施体制の強化、の3点を重要点として挙げました。意見交換では、教員の専門性向上や指導体制の整備といった実務的な課題に加え、人権尊重をいかに教育と結びつけ、政策と実践の連携を強化していくかについて、引き続き協議していくことが確認されました。

