APDA 人口と開発に関する議員活動支援事業:エジプト
2024.10.12 エジプト・カイロ10月12日、アジア人口・開発協会(APDA)並びに人口と開発に関するアラブ議員フォーラム(FAPPD)は、国連人口基金(UNFPA)及び日本信託基金(JTF)の後援により、エジプト・カイロで障害者・高齢者に関する議員会合を開催しました。この会議は、社会で疎外され置き去りにされることが多い障がい者と高齢者の現状を見直し、彼らと共にSDGsへの取り組みを活性化することを目的として開催され、エジプト下院社会連帯・障がい者議会委員会、家族問題議会委員会、保健議会委員会、教育・科学研究議会委員会、人権議会委員会、憲法・立法問題議会委員会に加え、社会連帯省大臣、青年省大臣、関連省庁の代表、国連人口基金(UNFPA)アラブ地域事務所代表、市民社会団体が参加しました。
会合の中でAbdelhadi Al-Qasabi議員は、FAPPDとAPDAがアラブ及びアジア諸国で開催した国会議員会議での提言を受けて、エジプト議会が一連の人権に関する法律を制定したと述べました。その例として、2018年国家女性評議会法第30号、2018年障がい者権利法第10号、全国母子評議会法、高齢者権利法、国家人権戦略発布などを挙げました。他の参加者からも、エジプト下院とFAPPDの努力により実現した2018年第2号総合医療保険法について、「これは総合的な医療へのアクセスを保証する憲法上の義務として機能するため、特に重要な意味を持つ」との見解が占めされました。
エジプトの現状として、エジプト下院では障がい者に8議席が割り当てられており、また障がい者の教育と医療が無料になったこと、官民両部門で障がい者に5%の雇用枠が割り当てられているとの報告がなされました。しかし、障がいのある子どもは障がいのない子どもに比べて暴力を経験する可能性が4倍高く、障がいのある成人は障がいのない成人に比べて1.5倍多く暴力を経験するというデータがあり、そうした暴力の要因として、スティグマ、差別、障がいに対する無知、そして障がい者を介護する人々に対する社会的支援の欠如が指摘されました。今後の対策として、社会的包摂を推進し、技術革新とテクノロジーを活用して障がい者の情報、教育、生涯学習へのアクセスを向上し、対等な立場で労働や社会に参画できるようにすること、そしてそのための立法や環境を整備に向け国会議員が果たすべき戦略的役割について議論を行いました。
会議を通じてエジプト国会議員は、FAPPDの活動に対する日本政府並びに日本国民の支援に対し感謝を重ね、アラブ諸国における人口・開発に関する問題解決において重要かつ効果的な役割を果たしていることを強調しました。