8月12日、人口と開発に関するアジア議員フォーラム（AFPPD）、アジア人口・開発協会（APDA）並びにパキスタン気候変動・環境調整省は、パキスタン首都イスラマバードで、AFPPD女性常任委員会会議「グリーン経済¹ に向けたジェンダー・エンパワーメントに関するアジア議員会議」を共催しました。本会議は、国連人口基金（UNFPA）及び日本信託基金（JTF）の後援、国際家族計画連盟（IPPF）の協力を受けて開催され、アジアを中心に世界各地から国会議員、政府関係者、国際機関、NGO、ユースグループ、メディアなど300人以上が参集しました。

開会式では、会議開催にあたり中心的な役割を担ったRomina Khurshid Alam気候変動担当首相調整官が参加者を歓迎するとともに、国家気候政策にジェンダーの視点を統合するパキスタンの継続的な取り組みを示し、会議の基調を打ち出しました。JPFPを代表して参加した阿部俊子 文部科学副大臣は、ジェンダー平等と環境の持続可能性は相互に深く結びついており、SDGsの主要ターゲットの達成にはジェンダー平等と女性のエンパワーメントが不可欠でありながら、国によって進展状況に差があることから、こうしたAFPPDのプラットフォームを通じてジェンダーの不平等を是正するための政策・立法措置を共有し、パートナーシップを形成することで、団結してこの分野に取り組むことを呼びかけました。Sardar Ayaz Sadiqパキスタン下院議長は、「グリーン経済のためのジェンダー・エンパワーメント」というテーマは時宜を得た重要なものであり、建設的な対話を通じて参加者が教訓をそれぞれの国に持ち帰り、公正で持続可能な世界で女性と女児が活躍する未来の構築に向け、役割を果たしていくことに期待を寄せました。

続くセッションでは、ジェンダー平等に焦点を当てたICPD行動計画の実施、気候変動などの危機対応における女性の重要な役割とエンパワーメント、経済参加の推進を取り上げ、根強い障壁を取り除くために必要な法的枠組み、政策改革について意見を交わしました。会議は、ジェンダーに配慮したグリーン経済に向けた行動指針としてイスラマバード宣言を採択して閉会しました。

翌13日の視察では、議員団はパキスタンの災害管理の最高機関である国家災害管理庁（NDMA）を訪問し、続いてSyed Yousaf Raza Gilaniパキスタン上院議長を表敬訪問しました。Gilani上院議長は、今回の重要かつインパクトのある会議の成功に祝意を表し、環境政策や経済政策にジェンダーの視点を取り入れることで、持続可能で包摂的な未来を築く一助となると述べました。

1 国連環境計画（UNEP）の定義は、環境問題に伴うリスクと生態系の損失を軽減しながら、人間の生活の質を改善し社会の不平等を解消するための経済のあり方。UNEP (2011). “Towards a Green Economy: Pathways to Sustainable Development and Poverty Eradication”. (http://www.unep.org/greeneconomy).

■ Inter Press Service (IPS)
Empowering Women for a Green Future: AFPPD Conference Tackles Climate Change and Gender Equality | Inter Press Service