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APDA/JPFP 国際人口問題議員懇談会(JPFP)会合:人口80億人

2022.11.21 日本・東京

11月21日、国際人口問題議員懇談会(JPFP)は、「世界人口80億人」をテーマに会合を開催しました。
黄川田仁志 JPFP事務総長が進行を務め、上川陽子JPFP会長が開会挨拶、イアン・マクファーレンUNFPA 広報・戦略的パートナーシップ局長、並びに石井澄江ジョイセフ(IPPF東京連絡事務所)理事長が講演を行いました。国会議員、代理出席あわせて22名が参加しました。

上川会長は、世界人口が2011年に70億人に到達してから、わずか11年で80億人に到達したことに触れ、「人々が保健医療サービスの恩恵を受け、死亡率が減少したことは喜ばしいことですが、一方で食料安全保障や環境、女児や女性をめぐる課題など、対応しなければならない問題が山積しています。分析を基に次の行動に移せるよう考えていきたい」と話しました。

マクファーレン局長は、世界人口80億人は長寿化、妊産婦と幼児死亡率の低下の成果であるが、そうした恩恵が等しく享受されていないと指摘しました。また、「日本で“居場所”という素晴らしい言葉に出会いました。全ての人が“居場所”を持つことは、誰一人取り残さないことに通じます」と述べました。石井理事長は、IPPFは特に取り残されがちな貧しい人々、人道危機下にある人々へのSRHサービス提供に力を入れ、可能性と希望の追求ができるよう手助けをしていると説明し、パレスチナでの活動をビデオで紹介しました。

続く質疑応答では、武見敬三JPFP幹事長と上川会長はIPPFと国連機関・各国政府との連携について、中谷元議員からは危険な活動地における安全の確保について質問がありました。末松義規議員は、世界人口80億人に対して日本ができるアプローチは何か、武見幹事長は、2023年G7サミットのホスト国である日本に何を求めるか、と質問しました。

発表者の回答要旨は以下の通り。

  • 人道危機では特に、IPPFは国連機関や各国政府と連携して活動を行っている。国連も調整メカニズムを構築している。
  • IPPFの各国レベルの加盟協会は、非公式の情報ネットワークを持っているため、最新情報に基づいて日々安全を確保している。
  • 80億という数字だけにとらわれるのではなく、先を見て、より良い世界をつくるための投資を考えることが重要である。
  • 日本はユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)制度を推進してきた経験を活かし、SRHRにおいてもリーダーシップを発揮できる。
  • 高齢化に関して、必ずしもデータを持つ国ばかりではない中で、日本はそうしたデータを持っている国であり、高齢化に対する政策にはそうしたデータの分析が有用である。
  • 日本は人間の安全保障を外交の柱とし、災害や危機に対する備えを充実させてきた。女性と少女の問題を人間の安全保障と結びつけ、日本がグローバルに発信していくことで大きなインパクトを生むであろう。
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